会長挨拶

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日本周産期・新生児医学会
第43回周産期学シンポジウム
会長大槻克文
(昭和大学江東豊洲病院副院長/
産婦人科教授 周産期センター長)

このたび、日本周産期・新生児医学会 第43回周産期学シンポジウムを担当させていただくことになりました昭和大学江東豊洲病院の大槻と申します。

現在、世界中の皆さんが疾患のみならず、社会情勢、世界情勢、地球環境など様々なストレスにさらされており、これらストレスを除去ないし緩和・軽減していくことが常に求められています。特に我々が従事している周産期医療において、新生児、小児、妊産婦を対象とする鎮痛・鎮静は、有害な侵襲によるストレスを除くため日常的に実施されている欠かせない医療行為です。

外科的処置に対する疼痛緩和は人類の悲願でありましたが、1804年に華岡青洲が世界初の麻酔に成功しています。また最近では国内においても無痛分娩の需要が高まりを見せており、その方策と安全性の担保が重要な課題となっております。

さて、本学会のテーマですが、周産期学シンポジウム運営委員会で慎重に吟味され、『周産期における鎮痛・鎮静・ストレス緩和を再考する』 となりました。過去には2011年の第29回周産期学シンポジウムで「周産期における鎮静・鎮痛・麻酔(母体の麻酔/胎児・新生児の麻酔と鎮静)」として同様のテーマが取り上げられました。以降十数年が経過し、この領域における研究は発展し新しい知見が得られています。そこで「鎮痛・鎮静・ストレス緩和」という切り口から、領域横断的、多角多面的に検討していただくために企画されています。

2023年4月にはこども家庭庁が設立され、子どもや妊産婦への支援を今まで以上に国を挙げて行っていくことになりました。将来を担っていく子どもたちの健全な育成のためには医療者のみならず、関連する企業様や団体様の協力は欠かすことはできません。

学会を開催させていただく立場としまして、新型コロナウイルス感染症を乗り越え、対面で語り合い、議論を行う環境の提供ができることを祈りつつ、鋭意学会開催準備を進めてまいります。

多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。